5月3日 Pimco Japan 高野氏
映画『おくりびと』で脚本を担当した小山薫堂氏は、リーマンショックは日本が『閾値』を下げるチャンスだと言う。 『閾値』とは聞きなれない言葉だが『人間が感じることのできる刺激の最小値』と定義される。 例えばにおいであれば、最初にかいだときはわずかなにおいでも感じることができる。 そして同じにおいをかいでるうちに、次第に強いにおいでないと感じなくなる。 この状態を『閾値が高まる』と言う。
かつて日本がまだ貧乏だったころ、一杯の白米をおいしく感じ、外出用の洋服を大切にし、子供は素朴な玩具を喜んだ。 いまや対外純資産で世界最大になった日本には良質で安価な物やサービスが溢れ返っている。 でもなぜか豊かな気がしない。 閾値が高まっているのである。
経済危機で人々は物を買わなくなり成長率は大幅に鈍化した。 政府は多くの資金をつぎ込み消費のてこ入れを図っているが、消費者の節約行動が本当に必要なものだけを選択した結果であるなら、それは経済成長率が示すほど悪いものとは限らない。 本当に必要なものだけを求めることを意味するからだ。
安くて良いものを大量に作る時代から、個々の人の閾値に応じて必要なものを必要なだけ買う時代。
そんな時代の始まりである。 本当の豊かさとは何なのか。 いま日本は真剣に考える時期に来ている。
私のコメント
沼底の泥のようにデフレが滞留している時期に閾値を下げることは、意志の強いある人々にとってはチャンスかもしれない。 しかし、その後(多分4~5年後に始まるであろうインフレ)に、この言葉自体が沼の底に沈む予感がする。 結局、宗教・教育がある意味貧困であることに問題があり、物欲的な平和が閾値を下げさせない。
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